2本の映像作品と 1冊の副読本が
老年看護学の学習をサポートします

 映画照明技師の渡辺 生 (しょう) さん (大正6年生まれ) が、60歳前後の若さでアルツハイマー病にかかった妻の坂本トミ子さん (大正15年生まれ) との闘病生活を記録されていた映像をもとに、制作させていただいた二本の記録映画があります。
 映画「おてんとうさまがほしい」(1995年公開16ミリ作品)と、ビデオドキュメンタリー「風流れるままに〜アルツハイマー病の妻と生きる〜」(2000年公開ビデオ作品)の二作品です。
 また「おてんとうさまがほしい」には、その副読本として、「老いて生きる 〜 映画 「おてんとうさまがほしい」を語る〜 」(1995年初版)が、凱風社より出版されておりました。
 1995年より350カ所以上を回った全国上映の途中、この三作品は、幸運にも島根医科大学医学部看護学科の田中道子先生のお目に止まりました。そして、田中先生はこの三作品を、2001年より老年看護学の授業に取り入れてくださり、絶版になった「老いて生きる」の再版を提案して下さいました。
 当然ながら、思いもかけない病に突然襲われた奥様のお姿を、映像で広く一般公開することには、作品の完成当初から深い逡巡を示されていた渡辺さんでした。しかしこのたび、「少しでも老年看護学を学ばれる方々のお役に立てるのなら、是非とも有効に使っていただきたい」という願いのもと、あらためて、映画「おてんとうさまがほしい」のビデオ化販売と、絶版になった副読本 の再販をお許しくださいました。
 再版にあたっては、田中道子先生にあらためてご執筆いただき、老年看護学の手引き書としての意味合いを深めて、増補改訂版「老いて生きる 〜 映像を通して 老年看護・介護を考える 〜 」と改題する運びとなりました。
 またこの三作品は、現在、すでに老年看護・介護の現場に携わっておられる皆さんにも、ぜひとも参考にしていただきたい作品です。以下に、作品の詳細をご紹介をさせていただいておりますので、どうぞみなさまの学習に三作品のご利用をご検討いただけたらと思います。

2002年10月 「おてんとうさまがほしい」           
            「風流れるままに」
 プロデューサー 貞末麻哉子

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<参考ページ>

三作品を老年看護学にとり入れて「ひとつの経験としての教材」
元島根大学医学部看護学科 田中道子先生


購入してくださった医療機関・学校等一覧

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<↓各写真をクリックしていただくと、作品の詳細ページに飛べます>


ビデオドキュメンタリー

「風流れるままに
〜 アルツハイマー病の妻と生きる 〜 」について

 上記「おてんとうさまがほしい」はアルツハイマー病を患ったトミ子さんが入院されてからの映像を中心にまとめたものですが、この「風流れるままに」は時間を逆行し、トミ子さんの様子の変化に気づき始めた渡辺さんが、トミ子さんの初期症状と自宅での介護の様子を病院に入院されるまでの3年間、記録されていたビデオ映像を中心にまとめたものです。
 二部構成にまとめられており、第一部・ドキュメンタリーは、映画「おてんとうさまがほしい」よりさらに濃密に渡辺さん夫妻のご自宅での生活を描いています。ある日突然、健康だった妻にあらわれはじめた変化‥‥そしてそこに寄り添う夫の数々の葛藤が描かれていた映像をもとに、渡辺さんの生き様の深淵にある生きる哲学・老いる哲学といったものを、その日々の営みの記録の中から紡がせていただきました。
 そして第二部・解説は「老人痴呆症と介護」と題し、日立市にある医療法人圭愛会日立梅ヶ丘病院 院長・岡田正勝先生にご出演いただき、老年性痴呆疾患・アルツハイマー病に関する解説をお願いしました。初期から後期に至る患者さんの病状の変化と、介護する家族がどのように痴呆症の患者さんと接するべきか、また、どのように正しく老年性痴呆を理解し、日頃からどんな心がけをしておいたらよいのか、などを詳しくご指導いただきました。
 「風流れるままに」におけるトミ子さんの映像は、もともとこうして公開されることを前提に撮影されたものではありませんが、渡辺さんにご無理をお願いしてご提供いただきました。
 今後、さらに多くの方々に老人性痴呆疾患に関する正しい理解と知識を深めていただけるならばという渡辺さんの深い願いのもとに、このビデオの制作が実現しました。
 なお、渡辺さんと共に歩んでこられたトミ子さんは13年に及ぶ闘病から解放され、2002年4月28日未明に肺炎で他界されました。ご主人の温かいぬくもりの中で眠るように逝かれましたことを追記致します。


ドキュメンタリー映画
「おてんとうさまがほしい」について

 「おてんとうさまがほしい」は、渡辺 生さんが、アルツハイマー病を患った妻のトミ子さんを 16ミリフィルムで撮影された映像を、「阿賀に生きる」の監督、佐藤 真氏が構成・編集し、1994年に完成した記録映画です。 
 茨城県日立市に住むトミ子さんと、東京を中心に仕事をされていた渡辺さんは長い間二重生活を余儀なくされていましたが、1990年にトミ子さんに痴呆・徘徊などの病状が現れ、転んで腕を骨折されたのをきっかけに、渡辺さんは東京の仕事場を引き払い生活の基盤を日立に移しました。
 在宅での介護の合間にも渡辺さんはプライベートでトミ子さんの姿を撮影されていましたが、トミ子さんが入院して半年も経つと、ファインダーを覗く生さんの視点は、老人医療・看護の現場が抱える問題や、患者や患者を支える家族の問題、地域の福祉に関する問題などに広がっていきました。
 病院関係者・患者の家族にも正式に撮影許可を得てキャメラも慣れない16ミリのムービーキャメラに持ち替え、渡辺さんは本格的にたった一人で映画制作に取り組み始めました。
 1994年に渡辺さんが撮りためたフィルムの仕上げの手伝いを引き受けるため、製作委員会が発足されました。当初、渡辺さんが考えていた作品の構成は、医療・介護の現場で患者さん達を支える周囲の人々の懸命な姿を描き出すものでした。しかし、映像を見ていくうちに渡辺さん夫妻が築きあげてきた人間関係の深さに心打たれ、フィルムに刻まれた渡辺さんの“思い”の力に強烈に魅かれた製作委員会のメンバーは、最終的に渡辺さん夫妻の物語を軸に映画を進行することにしました。映画人として常に自分が裏方の立場で映画を支え続けてきた渡辺さんにとって自分が前にでる構成を躊躇われたことは言うまでもありませんが、渡辺さんの懐の広さに許されて、映画は完成したのでした。
 全国350カ所余で上映され、深刻な高齢者社会を迎えつつあるこの現代に投げかけてきた問題提起は、多くの反響を呼び、人々を励まし、絶大なる支持を得ています。


増補改訂版
「老いて生きる 〜映像を通して 老年看護・介護を考える 〜について

 この「老いて生きる」の初版は、1995年、映画「おてんとうさまがほしい」の副読本として、凱風社から出版されました。
 映画の制作経過にまつわることだけでなく、渡辺 生さんの生き様や、アルツハイマー病と診断された奥様への思いが綴られ、渡辺さんご本人をよく知るこの映画のプロデューサー・貞末麻哉子の、渡辺さんやこの映画への思いなどが、対話形式で盛り込まれています。
 そして今回の増補改訂にあたっては、元島根医科大学医学部看護学科・田中道子先生に、写真構成の再編集にご助言いただき、なぜこの三作品が老年看護学の学習に役に立つと考えられたか、実際にどのように授業に取り入れられたのか、またそれにより学生さんは何を吸収されたかなどを執筆していただき、より老年看護学の手引き書となりうるものに生まれ変わりました。
 島根医科大学看護学科の学生さん達が、作品を見て、そして本を読まれた感想もいくつか載せてありますので、どのような学習効果が見られたかも知っていただけると思います。
 学習用に大量にご注文いただける場合は、冊数に応じて学生割引料金を適用させていただきます。
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以下参考ページ


「風流れるままに
-アルツハイマー病の妻と生きる-
公式サイト
http://www.motherbird.net/~kaze/

「おてんとうさまがほしい」
公式サイト
http://www.motherbird.net/~otentousama/

「老いて生きる」
公式サイト
http://www.motherbird.net/~oite_ikiru/




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