映画 伝 承 -Transmission - の音楽担当 山中 茂 の音楽活動

LIVE YAMANAKA
LIVE
THE EARTH IS BLUE
by SHIGERU YAMANAKA
ライブの模様
杉並区西荻窪・ほびっと村にて
1997〜1998


1997年9月から3回にわたり、
映画「伝承-Transmission」ファンの熱望により、
山中 茂 ファン 主催・三星村 協賛
による待望のワンマンライブ
< 組曲 Earth is Blue>が実現した



組曲 THE EARTH IS BLUE

 -優しさのなかに静かな怒りを秘めたYAMANAKA作の組曲-

山中 茂 - Shigeru Yamanaka - Profile
&
-Kodama-






音を作っているとき、自分は霊媒師なんじゃないかと思うことがある。
特にピークになるのが満月の夜‥‥。オカルト的な話ではなくて、
死んだ後にとこかに行くのだとすればその辺にいるような‥自分自身の位置のようなものが、
人間でも、神でも悪魔でもなく、地球でもなく、そらのかなたのような場所から、
自分でも想像のつかないくらい大きな力に導かれて音を作り出しているような感じがする。

 (1997.9/20.ライブ直後 YAMANAKA 談)  


 「巨大な生物となってユーラシア大陸を走り抜け、海に飛び込んで深海にもぐる」ことを夢みている山中茂は、千葉県の森の中の家でスピリットたちの楽しい、時に恐ろしい訪問を受けながら、地球を眼下に見て「地球は神である」と思いながら曲を作っていると噂されます。
 前回の(9/20)の演奏はそれを裏付けるものでした。チベットを中心に撮影されている「伝承」の音楽を担当し、ナスカの地上絵にもつながりを感じている彼の音楽はグレートスピリットの愛の歌そのものです。「神でも人間でもないもの」となって圧倒的なパワーにふれることで生まれてきた曲です。怒りが限りない優しさとなって鳴り響きます。彼は本当にすごい、すごく「面白い」人です。彼の演奏は素晴らしい「旅」です。  

詩人・細井秀郎 )    


 映画「伝承」と山中氏の音楽と

“不思議な映画と音楽だ”‥‥今はなき井の頭の「ギャルリ・ウィ」で「伝承」に会ったとき、そう感じた。少なくとも私の人生にとっては、特別な映画となり、音楽となった。
 以後、周囲に、奇妙に色々なことが起き始めた。
 僧服を脱げば人間嫌いの私が、半年後には自分の寺に友人知人を集め、「伝承」を上映していた。
 さらに半年後父が急死。多くの友人と疎遠になっても、「伝承」の上映会と山中氏のコンサートには足が向いた。

 渡辺氏は、暴走族のアタマだったという。山中氏は「不良のチンピラだった」と自称する。
 が、「伝承」の映像と音楽は、猛烈に真面目で一生懸命だ。
 深淵からの声に、必死で耳を傾け、それを形に、音にしよう、と、ムキの‥‥もう、命がけ、と言わんばかりにムキになって取り組んでいる。坊主の類にありがちな、恩着せがましい説教臭さは無い。そんなポーズで飾る必要もないのだろう。

 深い作品というものは、理性の小細工から生まれるものではなく、その彼方から、作者を通じて流れきたるものだとすれば、媒体とされる人間は、危険な目にも遭いかねない。

 山中氏は時折、幽体離脱の体験をされると言うが、渡辺氏の後を追われては困る。
 息の長い活動をして欲しい。

 1998年3月29日は、ほびっと村にて33度目のライブと聞く。きっとまた「不思議な」音楽が味わえるだろう。渡辺氏も聴きにくるだろう。深いところから響いてくるような音を、多くの見えるもの見えないもの達とも分かち合いたい、と思う。

(市川市極楽寺住職・伊東秀順 )